医療機関における「電波の安全利用規程(例)」について(平成29年6月28日)
電波環境協議会では「医療機関における電波利用推進部会」を設置し、平成28年4月に「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」等を公表いたしました。今回、医療機関の方が手引きの内容をより実践的に活用することができるよう、医療機関における「電波の安全利用規程(例)」等を取りまとめましたので、公表致します。
1 趣旨
電波環境協議会では、総務省及び厚生労働省の支援を受け、医療機関における電波の安全な利用方法に関する検討を行い、平成28年4月、「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」を策定し、電波を利用する際に生じるトラブルや対応策の具体事例、電波を管理するための体制の整備の在り方を提言しています。
また、同手引きについては、厚生労働省から全国の都道府県や関係機関へ通達(H28医政総発0408第2号・薬生安発0408第1号)を発出するとともに、総務省から通信事業者への周知や全国での説明会の開催などを通じた周知活動が行われています。
本文書は、各医療機関で電波を適切に利用するための取組を実践するにあたり、利用可能な院内規程の具体例が必要になると考えられることから、院内規程を定める際に利用可能な例を示しています。
2 基本的な考え方
本規程(例)の利用に際しては、各医療機関において、医療機器や電波利用機器の種類、場所、状況が異なり、またそれらに関わる人員や体制が異なることから、実情に応じて改変等の検討が必要です。そのため、実際の電波利用機器等の利用状況に応じた院内規程の整備を支援する観点から、①多種多様な電波利用機器等、②医用テレメータのみ、③無線LANのみ、④携帯電話のみに関するそれぞれの院内規程の例を作成しました。これらを参考に、必要な内容を取捨選択して活用することが可能となっています。
また、各医療機関では、電波を利用する部門が複数となることが一般的であることから、複数の電波利用機器等を利用する場合には、それぞれの関係部門の担当者が集まり、情報の集約、管理を行う体制が構築されることが望ましいです。そのため、本規程(例)では、各部門の担当者が参加する電波利用安全管理委員会と、その委員長を電波利用コーディネータ(手引きでは「電波管理責任者」として位置づけ)を院内に設置することを想定しています。ただし、これらの設置の是非や形態についても、各医療機関の実情に応じて検討することが必要です。
3 規程における留意事項
(1) 電波利用安全管理委員会の設置に際しては、本規程(例)で示されている構成員は、最低限の構成を示しており、院内で既に設置されている医療安全管理者や医療機器安全管理責任者等が参加するかどうかを各医療機関で検討することが必要です。
(2) 電波利用コーディネータは、電波、医療機器、電子機器等に関する幅広い知識や経験を持つことが望ましいです。電波環境協議会では、電波利用コーディネータ向けのe-Learning等を他機関等と連携して提供することを検討しています。
(3) 電波環境測定を実施するためには、専門的な知識と機材等が必要になることから、専門機関の協力が必要となります。総務省では、平成29年度より電波環境測定を行うことを計画している医療機関等を支援する事業を、電波環境協議会と連携して開始しております。
4 公表資料
(1)医療機関における電波の安全利用規程(例)について(このページと同等の内容)
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5 今後について
今後、総務省や厚生労働省等を始めとした本推進部会構成員の協力を得ながら、医療関係者等への周知等を行う予定です。
また、電波環境協議会では、医療機関における具体的な実践例(グッドプラクティス)の収集、医療機関で電波を管理する人材の育成に必要なe-Learning用の教材(コンテンツ)の作成とe-Learningを実際に提供可能な関連機関との連携、LED照明器具や電波利用機器が医療機器へ与える影響の科学的な検証などを行い、医療機関に対して情報の提供を行うことを検討しております。